マツダデミオに フロント&リア スピーカー 取り付け
世紀の悪法「エコカー購入補助金25万円」制度の恩恵を受け、2009/8にマツダ デミオ のオーディオレスモデルを買いました(13C 5MT DE3FS)。オーディオレスモデルはフロントドアのみに簡易スピーカー(リアには無し)なので、自分好みのスピーカーを付けたい人向きの基本モデルです。(ちなみにオーディオレスモデルはラジオすら無く、納車状態で音は出ないのですから、フロントドアの簡易スピーカーは不要じゃん、と思ったりもするのでした。「簡易スピーカーでフロントのみ」のままずっと乗っているユーザーが意外と多いのかな(??)。)
スピーカーはプラスとマイナスを配線するだけだし、「リアの+は何色」といったデータもあるので、手間は掛かっても難しいことは何もないだろうと高をくくっていたのですが意外とそうでもなく。...
取付にあたり面倒なことがいくつかあります。
- 形状的に市販のインナーバッフルボード(止め枠)が使いにくい
- ドアパネルを傷付けずに取り外すのは、予備知識無しで始めると難しい。
- スピーカー用コネクタは(マツダに限らず)互換性の無い専用コネクタが使われている。自分で端子を圧着(直付け)するだけのことだが、既存配線長に余裕が無いことなどで意外と工作に苦労した。(変換コネクタがスピーカーに附属している場合もあるようだが)
- リアスピーカーの配線はリア・ドアまで来ていない!!。リアスピーカーの配線は、リア・ドアと車体を接続する部分(専用コネクタの車体側)までしか無く、このコネクタのリア・ドア側には配線はおろか端子ピン自体が存在しない(つまり配線をコネクタにハンダ付けすれば済むという問題ではない)。なんてこった。
以上について、順次解決していった記録です。
用意するもの
- インナーバッフルボード

無くても取り付けはできるのですが、取り付けする内張りのプラスチック(?)板はフニャフニャの素材なので、絶対に付けることをオススメします。嬉しいことに
sound proでデミオに合うのを売っていたのでネットで購入しました(MDF施工済みのが2本セットで6,615円)。お値段ほどの品質(材質)ではないので、一般品を買ってノコギリで加工しても良かったなという感じです(だたしその場合、デミオには取り付け位置に変な形の爪が出ているので工作に自信が無い人はちょっと面倒に感じるかも)。
- スピーカー

フロントとリアの計4本買うのですが、『音は主にフロントで聞きリアはあくまで後部座席の人用』というつもりなら、フロントから外した純正スピーカーをリアで使って倹約するという手もあります。その場合純正スピーカーの分はインナーバッフルボードは不要です(取り付けできないので)。
ちなみに私は
KENWOOD の KFC-VX16を4本(2組)買いました。
TIPS:
4本付けたものの後部座席の人のことは全く考えないのであれば、リアスピーカーは(オーディオの機能で)低音だけ出すようにすると音が前に定位して自然な音楽になります。
- ドアトリムクリップ

ドアパネルを剥がす時にクリップを壊してしまうことがまれにあります。念のため2〜3個予備を買っておくと安心。エーモンのNo.1943(日産用)で合いました。
- 鉛テープ
ドアをスピーカーボックスのようにしてしまう「デッドニング」をやる人もいますが、面倒なので省略しました(デミオの内張りは穴がちゃんと塞いであるいので、神経質になることもないでしょう)。
とはいえ、何もしないと、大音量ではドアパネル(客席側の内張り)がビリビリ鳴ってしまうので、振動しそうな広い面の所々に鉛テープを貼りました。
東京防音 P-50AS 東急ハンズで1本1,050円でした。ドアパネル1枚につき1本位使います。粘着テープ付きで粘土のように自由に変形するので、曲面やデコボコ面に貼るのも簡単です。このテープはパソコン用にも愛用しています。
- 配線関係
大抵の部品は買ったスピーカーにおまけで入っていますが、リアスピーカーの配線を延長する必要があるので、別途スピーカーケーブルが1m位(2芯)必要です。ちなみに配線に必要な端子類やクリップ、工具などはほとんどオートバックスで手に入ります。小さなホームセンターには無いものもあります。
- 工具類
一般的な工具で十分です(圧着ペンチ、電動ドリルはたぶん必要になります)。内張りはがしがあれば少し作業が楽になりますが無くても大丈夫でした。
1. ドアパネルを剥がす
- 作業中は基本的にエアコンは入れられないので、作業は雨の降りそうもない涼しい日を選び、明るいうちに作業します。また、日暮れ時は虫が寄ってきて作業しにくいので注意しましょう。長時間ドアを開けたままにするので、路上で作業する時は作業するドアを歩道側にして駐車するといいでしょう。平日のホームセンターの屋上駐車場などもいいかもしれません。
- 破損防止のため、ドアガラスは閉めて(上に上げて)おきます
- ドアガラス横の小さなパネルを外します(フロントはドアミラー裏パネル、リアは後部の三角パネル)。2つのフックが刺さっているだけなので、ドアに垂直に引っ張れば取れます(初めての時だけはちょっと堅いかも)。
- ビスは2本あります。1本目はドアノブの裏に隠れています。ドアノブカバーは細いマイナスドライバーを隙間から差し込めば外せます(傷付くのでラジオペンチでつまんだりしないこと)。ビスを外します。
- 2本目はドアグリップの凸み部分にあります。リア・ドアでは外から見えていますが、フロントドアでは上にカバー(布地)が乗っているので指でつまんで外します。ビスを外します。
7本のフック(ドアトリムクリップ)を外しますが、これにはややコツがあります。ドアパネル全体はドアガラスの出てくる部分に上から挿し込んでぶら下げるように固定されていますが、これをいきなり上に持ち上げて外そうとせず、まずはドア面と垂直にフックを外すことに専念します。持ち上げたりねじったりして外すと、フックが内張から外れてドアに残ってしまい、手間が増えます。また、フックは1本ずつ順番に外します。明らかに引っ張りやすい(手を掛けられる)部分が1カ所あるので、そこが最初に外す1本です。繰り返しますがとにかく外す1本だけに集中しドア面と垂直に引っ張ります。あとは外した場所の近くから順番に1本ずつ外します。7本外すと完全にぶら下がった状態になるので、この時初めてドアパネル全体を上に持ち上げて外します。
- ドアパネルを外しても、ドアグリップはワイヤーでつながったままです。ドアグリップのユニットを裏側から押して外し、穴から引き抜きます。
- ドアパネルとドアの間の電線(コネクタ)を外します。運転席(右フロント)だけはコネクタが2個あり、その他は1個あります。当然運転席は難易度が高いので作業に慣れた後に取り組むのをオススメします。コネクタは、指でつまんでストッパーを外せば簡単に引き抜けますが、この指でつまむ部分が尋常でなく固い上、ストッパーの外れる様子は外からは見えない場所もあるので(※)、ちょっと苦労するところです。あまりに固いのでペンチで挟みたくなりますが、カラ振りして配線に傷付けたら大変なので、なるべく頑張って素手でつまみます。
(※)運転席の2つのコネクタはドアパネルをそれぞれ90度/-90度回転させるとストッパー部が上部に見えます。他の3箇所は何もしなくても見えるか、180度回転で見えるか、何をやっても見えないかの3つだったと思います。
- これでドアパネルが完全に外れました。全てのフックがドアに残らず、ドアパネルの正しい位置にセットされていることを確認します(取り外しの時にズレたり外れたりすることが良くあるので)。
- この状態でも車は走行できますので、作業に手間取り日が暮れてしまってもご安心を。
- 取り付けは当然この逆順です。フックを1本ずつ順番に確実に取り付けましょう。もちろん、その後ネジその他も取り付けます。
- ちなみに運転席側のコネクタを一旦外すと(バッテリーを外した時同様)運転席側窓の自動開閉機能がキャンセルされてしまうので、配線を壊してしまったと勘違いしない!で、スイッチ操作で元に戻します(長押しで復旧)。
2. ドアパネルの重量化など
- 最初に書いた通り、ドアパネルのびびりを無くすため、ドアパネルの裏側の所々に鉛テープを貼り付けます。
- スピーカーを取り付けた内張り側にも気になる部分に鉛テープを貼るといいかもしれません
- フロントドアはスピーカーのすぐ裏に半分金属板が見えているので、そこだけ音が反射しやすく気持ち悪いので、吸音材として厚手の隙間テープを貼り詰めて金属板が見えないようにしました。硬い音でもいい人はたぶんこの作業は不要でしょう。
3. スピーカー本体を取り付ける
- フロントは純正スピーカー(軽い!!)が付いているので外します。リアはダミー板が付いているので外します。この時外したネジは、直接内張りのプラスチックにネジ込んであり、ネジ穴がバカになっているので、取り付けの時は少し太めのネジに置き換えた方がいいでしょう。ネジに頼らず接着してしまった方がいいかもしれません。インナーバッフルボードを自作する場合は、リアから外したダミー板を使えば穴の位置決めが楽です。
- スピーカーをインナーバッフルボードに取り付けるためのネジ穴をドリルで開けます。位置決めは正確に。
- インナーバッフルボードをドアの内張りに取り付けます。その際、スピーカーへの配線ケーブルを通す穴が無いので、予めインナーバッフルボードの裏側を棒やすり等で削って溝を作っておく(推奨)か、内張りに直接ドリルで穴を開けます。
- 最後にインナーバッフルボードにスピーカーをネジ止めします。実際には配線が完了してからやることになりますが。その際、ドライバーをカラ振りしてスピーカーに穴を開けてしまわないよう、作業は慎重に。
- なお、私の買ったスピーカーでは、スピーカー表面外周に水よけのスポンジ(取説では「パッキン」と記載)を貼るよう説明書で指示されていますが、その通りやるとダメです。デミオのドアパネルには、スピーカー前面を覆うような短い円柱形の部品が付いているので、そこに当たってスポンジが倒れてしまいます。スポンジが当たらない位遠くの外周に貼ればいいのですが、それでもスポンジが倒れないように垂直にドアパネルを取り付けるのは至難の業です。そこで私は一般ドア用の隙間テープ(8mm厚)を貼って誤魔化すことにしました。
4-1. フロント・スピーカーの配線
フロントには元々純正スピーカーが付いているので、その配線をつなぎ換えるだけです。純正スピーカーは専用のコネクタ(他社とは互換性が無い)で車体とつながっているので、普通の平型端子に付け替えます(買ったスピーカーにオマケで入っているはず)。コネクタを壊さず途中の配線からエレクトロタップ(配線コネクター)で引き出すのが正攻法でしょうけど、将来再び純正スピーカーに戻すということは100%ありえないので、コネクタを切り落として直結してしまう方が簡単だし音質的にも有利です。折角直結するのですから平型端子は金メッキのものを買って使いました(エーモン平型端子メスM(型番1166)およびS(1165))。+端子はMだと小さくLだと大きい感じなのでMを少し広げて使いました。−端子はSでぴったり。
ちなみに、配線色は右(+青, −黄)、左(+赤, −白)です。端子形状は私が買ったスピーカーの場合の話ですので念のため。
4-2. リア・スピーカーの配線

リア・ドアにはスピーカー配線が来ていません。車体とリア・ドアをつなぐ配線はコネクタになっていて、リア・ドアを取り外せるようになっているのですが、リア・スピーカー配線はこのコネクタ(車体側)までしか接続されておらず、リア・ドア側のコネクタはスピーカー配線部分が空洞です。つまり配線が無いだけでなく、コネクタのピン自体が無いのでハンダ付けすることもできません。う〜〜む、いくらリア・スピーカーの無いモデルだからって、それはないんじゃないの!!と怒ってみても始まらない。
素直な解決は、ディーラーでリア・スピーカー接続コネクタの付いた純正品ハーネス(D65167210B(右)とD65167220B(左)各2,100円)を購入してリア・ドアの配線ごとリプレイスすることですが、そんな無駄な金を払いたくないし、払ったところで配線そっくりのリプレイス作業は面倒です。というわけで、コネクタのことは忘れて図のように無理矢理接続してしまいます。万一将来リア・ドアを修理することがあれば、この追加配線の存在を修理業者に教えてあげましょう。
- リア・ドアを開けてヒンジ近くを覗いてみれば、問題のコネクタがどこにあるのかすぐに判ります(もちろん防水のゴムカバーが付いていますが)。その反対側(本体側)が見えるように以下分解します。
- 後部座席のドア部分の足下にある配線カバーを持ち上げて外します。同様に前部座席のドア部分の足下も外した方があとが楽でしょう。
- フロント・ドアとリア・ドアの間にある内張りを外します。ゴムパッキンの裏側にはめこまれているので、上部から順に外していきます。中央下にややしっかりしたコネクタが2本挿さっているので、壊さないようにします。抜きにくい時はラジオペンチで挟んで先を細くすると簡単に抜けます。
- その内張りの中にある白い蓋(右図)を外すと、奥にコネクタがあります。まず表側(リア・ドア側)のコネクタを抜き、車体側のコネクタを車体から外します。
- 車体側コネクタにのみスピーカー配線(2本)があることを確認します。左(+紫, −桃)、右(+白/青, −黒/青)です。
- この先は詳しく書きませんが頑張って線を通すだけです。用意したスピーカーケーブルを使いコネクタ付近からスピーカー配線を取り出し、リア・ドアまでゴムチューブの中を通して引き回します。その際、車体側コネクタに配線穴(上図)を開けると簡単でしょう。組立時は防水に注意しましょう。黒いゴムがきちんとはまっているように。特に、コネクタを接続してからゴムカバーをかけるのはまず無理なので、コネクタにゴムカバーをかけた後にコネクタを接続するといいです。
マツダデミオに 市販オーディオ 取り付け
オーディオレスモデルでは2DINのオーディオが付けられます。普通はここに2DINのカーナビ(オーディオ付き)を取り付けるのでしょうが、残念ながらスペック的に満足できるカーナビはまだ発売されていないので、前の車で使っていた1DINのMDプレーヤー(ラジオ付き)とポータブルナビを取り付けることにしました。
オーディオハーネス(後述)を買えば配線そのものは決められた通り接続するだけなので簡単ですが、フロントパネルの取り外しがちょっとだけ面倒なのと、取り付けスペース奥にあまり余裕が無いので、配線ケーブルを押し込むのに苦労しました。また、奥(特に下部)にはエアコンの熱交換機(?)があり、夏期は触れない程熱くなるので、火傷しないよう注意します。配線引き回しも注意します。
ほとんどの人はオーディオ取り付けのついでにETCも取り付けると思いますが、特に書くことも無いのでETCについての説明は省略します。
用意するもの
- オーディオ取り付けキット(マツダ純正型番 DE01-V6-025 3,600円)
オーディオパネル(四角い穴の開いた部分)に裏側からオーディオを取り付けるための部品です。普通の金折を使って自作できなくも無いけれど、四角い窓に正確にはまるよう工作するのは厄介なので、この部品をディーラーに注文しました(工場在庫があれば翌日には届く)。
- マツダ車用オーディオハーネス(配線変換コネクタ)
車両側のマツダ独自コネクタ(24P)を1本ずつ汎用のギボシ端子に変換する部品です。カー用品店で「マツダ車用(24P)」(エーモン型番2222)を買います。1,200円から3,000円程度と価格にバラつきあり。
- 汎用1DINポケット(ダミーの箱)
何でもいいのですが、私はKenwoodのUA-W10Dを830円で買いました。だた、これを付けてもパネル面に若干隙間が出来るので、隙間が見えなくなるようにテープで塞ぐ必要がありました。大きくて「取り付けられない」と言われるのがイヤで若干小さめに製造しているのだろうけど、だったら穴埋めテープくらいオマケで入っていないものか、と思ったりもします。まあとにかく、この箱は買っておいた方が楽です。
1. フロントパネルの取り外し
以下執筆中